今日は、ちょっと真面目な話。飲食店開業を夢見ているあなたへ。
今一度、よく考えて。
このコロナ過に飲食店なんて…っていう老婆心から私が2015年にお店横にオープンした飲食店が開店するまでを書きたいと思います。
古民家を購入して飲食店を始めた我が家の例
築60年、空き家になって10数年の隣家は我が家に隙間なくぴったりくっついています。
この辺ってみんなそうなんです。
間口は2間半(約4.5m)なのに奥行きは12間(20m以上)、更地にして立て直すと隣家との間を50cmほど空けなくてはならないから間口はさらに狭くなっちゃう。
つまりは少しでも広く使いたいなら改装するよりほかないんですね。
持ち主だったおばあちゃんの子供たちも末っ子が80歳を超える高齢。
安くするので買ってほしいと話があり、まあ子供らも結婚したし誰かが住んでもいいかな~なんて軽自動車位の金額だったので軽い気持ちで買ってしまいました。
いざ家を買うと、土地や家の費用だけでなく(ほぼ土地代で家は無価値でした)不動産屋への手数料から登記の費用、あと忘れたころにやってくるのが、不動産取得税。
案外お金がかかるものなんですね。
改装工事をするにも、一部の床は抜けおち雨漏りのせいで畳は真っ黒…。
大工さんを呼びましたが、ぐるっと見るなり「こりゃ、つぶして建て直した方がいいぞ。」
でもね、ありがたいことにたまたま古民家再生事業の補助金があって、古民家取得に50万、内装、外装工事に計200万受け取ることができたんです。条件は、家の外観や内観をそのまま再生すること。
そして何よりこの昭和ノスタルジックな家に心底ほれ込んじゃったんです。
だから嫌がる大工さんにお願いして昭和の雰囲気そのままによみがえったんです。
今にして思えばこれが大正解!
全国的に「古民家ブーム」でその建物を見たい、そこで食事がしたいといったお客様が後を絶ちません。

資金の調達、まずは創業補助金などを探そう
これから開業するなら国の創業補助金や自治体の補助金・助成金をしっかり調べて返す必要のないお金もできるだけ用意できるといいですよね。
個人経営であれば、地元の商工会に相談するといろいろ教えてくれるし確定申告などもお願い出来てとても助かりますよ。
飲食店経営に必要な資格や決まり
まず、大工さんに設計図を書いてもらったら、工事に入る前に保健所に行きましょう。
飲食店営業許可をもらうための準備です。
飲食店を始めるには設備が規定通りに揃っていないといけません。
飲食店はいろいろと決まりがあります。それを知らずに工事を進めたら、客用手洗いと従業員用手洗いが必要だった。シンクは2層、食器洗浄機があれば1層でもいい、などあとからは簡単に追加できない工事が必要という大変なことになりかねません。
細かいことを言えば、天井・床・壁の材質から照明の明るさ、換気扇、トイレの場所、冷蔵庫、ごみ箱はふた付などなど。
事前に保健所に相談して確認しておけば許可もすんなりと下りるでしょう。
大工さんも一緒に行くと一番いいです。工事内容の専門用語など素人ではわかりませんから。
明日オープンなのに工事が必要な修正が入ったりしたら目も当てられません。
実際うちもトイレの手洗いで失敗しています。トイレの中に手洗いがあればいいと思ったら、トイレとはドアで仕切られたところに付けなくてはダメなんです。
手洗いボウルのサイズも「幅36cm×奥行き28cm以上」と決められています。結構大きいですよ。
結局うちはトイレの中にもう一つ扉を付けるスペースは無かったので、廊下の片隅に手洗いを付けて何とか許可が下りたんです。

私は調理師免許を持っていますが、調理師免許が無くても飲食店はできます。
「食品衛生責任者」という資格を持った人が1人必要です。
この資格も今は持ってなくても大丈夫!
1日講習を受けて資格を取得すればいいんです。費用は1万円程。
これも保健所で聞くと良いですね。飲食店をやるとなると年数回、保健所の見回りも決ますしずっと縁は続きます。
親切に教えてくれますから、仲良くなってわからないことは何でも聞きましょう。
消防署・税務署・市町村役場、そして商工会
え~めんどくさ~って声が聞こえてきそうですが、お店を開くには各所への届けが必須です。
消防署への届け
消防署への届けも必要です。警報機や誘導灯、消火器をどこにいくつ付ければいいか教えてくれます。消防署にも図面をもって相談に行きましょう。
そして工事が始まる1週間前までには消防設備設置届出等の書類を提出しなければなりません。
さらに開業1週間前までに設備使用開始届も出します。消防署員が2~3人で検査に来ます。
税務署への届け
税務署には開業届を出します。
確定申告のために白色申告に比べると節税になる青色申告承認申請書も出しましょう。
市町村役場への届けが必要なところもあるようです。うちは小売店の方で開業届や青色申告の申請もしてあったのでそれはやらなくてよかったんです。
おまけ・何かと頼りになる商工会
あと、おすすめは商工会への加入です。個人経営なら商工会が提供しているネットde記帳に記帳すればソフトを入れる必要もPCが壊れてデータが吹っ飛んだ!なんてこともなく(2回程経験あり泣)商工会の職員もアクセス出来て直してくれたりアドバイスをくれたり、確定申告もしてくれたり…至れり尽くせりです。
また、青年部や女性部もあり、同じような仲間と情報交換もできイベントを企画したり各種勉強会もあったりします。
金銭面で困るとまず相談するのは商工会です。

最後に
つい先日もすぐ近くに飲み屋さんができました。ちょっと前にも洋食屋さんが隣町にオープンしました。
コロナ過でも新たに飲食店を開く方がこんな田舎でも結構います。
私は今回のコロナで借金が1.5倍に膨らみました。
新たに物件を買って、借金をして、無理して開業するのはおススメしません。
やるのであれば居抜き物件で。家賃を払ってやるのであればいつでも撤退できます。
家賃であればコロナ支援の家賃補助とかもありましたよね。
つねに最悪も想定して。
でもそれがあなたの夢であればぜひ実現してほしいです!